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カオハガン紀行(3)・海上レストラン


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カオハガン島へ向かう途中、海上レストランで昼食を摂る事になったが、食事の前に食べる魚を選ぶことになった(と、こちらが勝手に思ったのかも知れない)。写真のような赤い魚、ラプラプだろうか黒い魚。マジェランを殺したマクタン島の酋長の名前がついたこの魚は高級魚だ。後で、他のフィリピン人に尋ねると、赤いのも黒いのも“ラプラプ”だと言う。何と大雑把な・・・。ウニや“なまこ”もある。適当に選んで(あるいは選んだつもりで)、潮風の吹き抜けるレストランで、サンミゲルのお変わりをしながら、待つ事にした。涼風が吹き抜ける海上レストランはまさに天国とはこのようなものではないかと思われる情景である。

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崎山氏によると、カオハガンの住民が食する魚料理は2種類しかないという。(前掲、崎山克彦「何も無くて豊かな島」新潮社、1995)「ティアノ」と「イノンウナン」の2種類で、前者は魚のほかにトマト、タマネギ、青いパパイヤ、カボチャ、苦瓜、島で採れる野草などを入れた汁の多いスープで、塩・タマリンドで味付けしているという。イノンウナンは汁の少ない魚だけの煮付けだそうである。
主食は米かマイス(トウモロコシを引き割ったもの)を炊いたもので、これを一枚の皿に大盛りにし、それに前述のおかずをかけて、手でよくかき混ぜて食べる(カマヤン・スタイル)という。仕事が忙しいときは、おかずを食べずに、御飯だけ食べるそうだ。また、おかずを作るのが面倒な独身男性などは、ご飯を手に持って海に出かけ、片手で器用にウニをとり、それをおかずにして食べているという。これなども天国なのか地獄なのか、意見の分かれるところであろう。

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待つことしばし、やがて料理が出てきた。刺身もある。煮魚はまあまあだが、焼魚は焼き過ぎだ。真っ黒に焦がしてはいけない。薪などの炎の出る直火で焼くとこうなる。どこの海岸でもやっている、バーベキュー・フィッシュはみなこの状態である。良い魚の焼き物を作るには炭火が必要だが、ここ南洋の島では「炭」など発明されていないのではないだろうか。「この調子では鰻の蒲焼を作るのは無理だろうな」、などと思っていると、次から次へと頼んでもいない料理が出てくる。(つづく)

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